モバイル機器とさまざまな技術がますます連携する中、mBaaSの市場規模も急成長しています。2024年から2032年にかけて、年間18%以上の成長が見込まれています。
今回は、アプリ開発を迅速に進めるための「MBaaS (Mobile Backend as a Service)」について、そのメリットや活用方法を紹介します。
もくじ
◆MBaaSとは
「~aaS」とは「~as a Service」の略で、SaaSやPaaSなど、インターネットを通じて提供されるクラウドサービスを指します。MBaaS(Mobile Backend as a Service)は、その中でもモバイルアプリのバックエンド機能をクラウド上で提供するサービスです。
アプリケーションは主に2つの部分で構成されています。
- フロントエンド:ユーザーが目にする部分(画面のデザインやボタンなど)、HTMLやJavaScriptなどで構築。
- バックエンド:ユーザーには見えない部分(サーバーやデータの処理など)、JavaやPythonなどで動作。
MBaaSは、このバックエンド機能をクラウド上で提供するため、開発者は手軽にサーバー管理やデータベースの操作が可能になり、アプリ開発が効率化します。
◆MBaaSを利用するメリット
開発期間の短縮
サーバーの構築や開発には通常3か月から半年ほどかかりますが、MBaaSを使うことでその時間をアプリのデザインや機能開発に充てることができます。これにより、開発からリリースまでの期間が短縮され、必要な作業量も削減できます。
コストカット
初期の開発費を抑えることができます。サーバーの構築には通常10〜60万円、維持には年間で2〜30万円ほどかかると言われていますが、無料プランを提供しているMBaaS(モバイルバックエンドサービス)が多いため、開発をスムーズに始められるのがメリットです。
労力軽減
アプリの開発では、通常サーバーの構築や運営に多くの時間と労力がかかりますが、MBaaSを利用すれば、登録するだけで簡単にサーバー機能を使えるため、その負担を大幅に減らせます。また、自分でサーバーを運営する必要がないため、サーバーの監視を常に行う必要もありません。これにより、開発がスムーズに進められるのが大きなメリットです。
セキュリティ
MBaaS(モバイルバックエンドサービス)を提供する多くのベンダーは、高いセキュリティ対策を備えているため、自力でセキュリティ管理が不安なユーザーでも安心して利用できます。
◆注意点
MBaaSを使ってアプリ開発を行う際に注意すべき点として、使用するサービスに依存してしまう可能性があります。たとえば、追加したい特定の機能がそのプラットフォームで提供されていない場合、その機能を追加できないなどの制約があります。利用を始める前に、これらの制約を考慮する必要があります。また、サービスの値上げや終了のリスクも頭に入れておくことが大切です。
◆まとめ
MBaaSは、アプリケーションを素早く簡単に作成できるサービスです。フロントエンドの知識があれば、誰でもアプリ開発が可能なので、まずはこれらのサービスを使って試してみてはいかがでしょうか?