現在、生成系AIサービスが世界中で広がっており、ChatGPTなどの膨大なテキストデータを学習する大規模言語モデルがビジネスでも広く使われています。市場規模は2030年までに約170倍に拡大すると予測されており、ここでは大規模言語モデル(LLM)の解説と、その活用事例について紹介します。
もくじ
◆LLMとは?
大規模言語モデル(Large Language Models)は、膨大なテキストデータを使って言語のパターンを学習し、その結果、テキストの生成や要約といったタスクを非常に高い精度で行うことができる深層学習の一種です。
◆LLMでできること
自然言語での指示
自然言語(人間が日常で使っている日本語や英語のような言葉)で指示でき、コンテンツの作成や情報を集めることができます。
人間のような応答
質問に対して、人間のサポート担当者のように自然な応答ができ、適切なフィードバックを返すことができます。
スマートホーム制御・IoTデバイスの遠隔操作
LLMを使って住宅の照明、暖房、セキュリティシステムなどを制御する指示を出すと、それに基づいて各デバイスが操作されます。また、ユーザーがスマートスピーカーなどを通じて家電やIoTデバイスを操作・制御することも可能です。
◆LLMを使っているモデル
BERT
BERTは、Googleが2018年に発表した自然言語処理モデルで、文章の意味や文脈を理解できるように設計されています。このモデルは、テキストの他に画像や音声情報なども取り込み、文章の要約や分類、質問への回答、言語の翻訳など、さまざまなタスクに活用されています。2019年には、Google検索エンジンのアルゴリズムにも取り入れられました。
GPT-4
2020年7月に、アメリカの企業OpenAI(OpenAI LPという営利法人とその親会社である非営利法人OpenAI Inc.で構成される)が発表したのが、高性能な言語モデルです。OpenAIは、Transformerという深層学習の技術を使った言語モデルとして、2018年にGPT、2019年にGPT-2、2020年にGPT-3を発表しており、GPT-4はその次に登場したモデルです。
このモデルは、文章の生成、要約、質問への回答、翻訳など、さまざまな言語処理のタスクに利用でき、これまでのモデルよりもさらに高い性能を発揮しています。多くの自然言語処理の課題において、人間のレベルを超える成果を上げています。
◆まとめ
今回は、注目を集めている大規模言語モデル(LLM)についてご紹介しました。
今後、生成系AIサービスの活用は個人やビジネスシーンで期待され、コミュニケーションや業務効率化に大きな変革をもたらす可能性があります。
ぜひ、皆さんも活用してみてください。