アルゴリズムと聞いて、どのようなものがあって、どのようなときに使うとよいかをイメージすることができるでしょうか。
プログラミングの学習では、問題解決のための手順や方法としてアルゴリズムを学ぶ必要があります。
今回はアルゴリズムの種類や役割、そしてアルゴリズムを学ぶ必要性についてご紹介します。もくじ
◆ソートアルゴリズム
アルゴリズムとは、数学、コンピューティング、言語学、また関連する分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したもので、算法と訳されることもあります。
「問題」にはその「解」を持っていますが、アルゴリズムは正しくその解を得るための具体的手順または根拠を必要とし、多くの場合において効率性が求められます。
データベースを始めとして、プログラミングでは大量のデータを取り扱うケースが次々に発生します。
その際、昇順(値を小さい順に並べる)や降順(値を大きい順に並べる)など、記憶領域に格納されたデータを一定の規則でソート(整列)させる作業に用いられるアルゴリズムが「ソートアルゴリズム」になります。
ソートアルゴリズムにはさまざまな種類があります。
その中から代表的とされる3種類のアルゴリズムを紹介します。
・バブルソート
バブルソートは、ソートアルゴリズムの中でも直感的なアルゴリズムの一つです。
データの末尾から隣接する要素の比較・入れ替えを繰り返すことでソートする方法になります。
基本的な考え方は、下の要素を上の要素と比較して、下の方が小さければ互いに交換、これを一番下の要素から順に行っていきます。
これによって一番小さな数字は一番上に上がっていきます。
・クイックソート
クイックソートは、実用上もっとも高速であるとされている並べ替えアルゴリズムで、多くのプログラムで利用されています。
クイックソートでは、ピボット(軸)を決めて、データ群を基準値以上と基準値未満の2つのグループに分割する処理を繰り返し、要素の入れ替えを行います。
データの比較と交換回数が非常に少ないのが特徴で、ランダムに散らばっているデータに対して、最も効率良く並べ替えを実行します。
・マージソート
マージソートは、データの分割を繰り返し、バラバラにした要素を順序に注意しながらマージ(併合)する、分割統治法の一種によるものになります。
処理時間がデータの並びに大きな影響を受けない点が魅力です。
◆探索アルゴリズム
大量のデータの中から効率良く条件に合った目的の要素を見つけるためには、「探索(サーチ)アルゴリズム」が必要になります。
主な探索アルゴリズムとして「線形探索」と「二分探索」があります。
・線形探索
線形探索は、リストや配列に入ったデータに対する検索を行うにあたって、先頭のデータから条件と照らし合わせながら調べていくアルゴリズムです。
シンプルな方法ですが、探している要素がデータ群の最後の要素である場合、すべての要素を調べなければならないデメリットがあります。
・二分探索
二分探索は、整列されたデータ群を2つのグループにデータのリストを半分ずつに分けて探索することで、計算量を削減できる方法になります。
探している要素かどちらのグループにあるか判断することを繰り返し、検索範囲を狭めていきます。
二分探索は、整列済みデータの探索に効果を発揮します。
整列されていないデータに二分探索を適用する場合は、ソートアルゴリズムで整列してから二分探索を用います。
◆アルゴリズムの必要性
大量のデータを効率良く活用するためには、アルゴリズムを知識として理解するだけではなく、コーディングしてみることが欠かせません。
大量のデータを並び替える際、アルゴリズムの選び方によって計算量が変わるため、ソートアルゴリズムを知っていれば、クイックソートでデータを素早くソートできます。
ただし、データがある程度順序良く並んでいる場合、大きな効果を期待できないことから、他のアルゴリズムを選択する必要性もあります。
また、クイックソートは同等なデータが並んだデータ群をソートしたとき、整列前の順序が保たれた、安定なソートではない点にも注意が必要です。
◆まとめ
技術革新が激しいIT・Web業界では、次々と新しい技術が生まれていきます。
このことは、プログラミング言語についても例外ではありません。
プログラミングの勉強を始めると、言語の勉強が主体となり、アルゴリズムの勉強は後回しになってしまいがちです。
また、初心者の方や数学が苦手だった方には、難しそうで自分には、と感じてしまうかもしれません。
まずはよく使われる基本的な方法を押さえ、それから興味のわいたアルゴリズムを勉強してみるとよいかと思います。