2022年度から、高校で「情報Ⅰ」という科目が必修となり、プログラミングの教育が始まりました。これまでプログラミングは、エンジニアやプログラマーといった専門職に必要なスキルだと考えられがちでしたが、今後は全ての高校生がその基礎を学ぶことになります。
この記事では、「情報Ⅰ」の内容や必修化の背景、そして今後のIT人材の重要性について、わかりやすく説明します。
もくじ
◆情報Iとは
「情報Ⅰ」は、プログラミングやネットワーク、データベースの基礎を学ぶ科目です。2022年度から、高校で共通の必修科目として導入されました。この授業では、コンピューターやネットワークの仕組み、データ分析などを学び、アルゴリズムやプログラミングの実践的なスキルを身につけます。
さらに、プログラミング教育は2020年から小学校で、2021年からは中学校でも必修化されています。「情報Ⅰ」の難易度は、プログラミング能力検定の「レベル5」に相当し、ネット利用時のマナーや基本的なプログラミング知識、アルゴリズム、二次元配列の理解が求められる内容となっています。
共通テストでも出題がされる
2025年から、大学入学共通テストに新たに「情報」という科目が追加されます。国立大学の97%では「情報Ⅰ」の受験が求められています。共通テストの「情報」では、JavaやPythonといった特定のプログラミング言語でコードを書くことはなく、独自の言語で出題されます。重視されるのは、プログラミングの知識ではなく、初めて接する問題でもルールを理解し、解決するための実践的なスキルです。
◆情報Iが必修化された理由
情報Ⅰが高校で必修化された背景には、ITの進化とグローバル化の影響があります。さらに、「Society 5.0」と呼ばれる未来社会が目指されており、多くの仕事がAIやIoTに置き換えられると予測されています。2015年に行われた野村総合研究所とオックスフォード大学の研究では、今後10〜20年で日本の労働人口の約49%がAIやロボットに取って代わられる可能性があるとされています。
このような技術の進化に伴い、自動化によって一部の仕事が減少するため、「仕事が奪われる」と感じる人もいるでしょう。しかし、ITの発展により、新たに人間にしかできない仕事も生まれてくると期待されています。AIやIoTが対応できない業務を担うためには、これからの時代に必要なスキルを身につけることが重要です。だからこそ、プログラミングを学ぶことが今後ますます求められていくのです。
◆プログラミング知識の需要と重要性とは
小学校や中学校でもプログラミングが必修化されたことから分かるように、今後、プログラミングスキルはますます重要なものになっていくでしょう。
また、日本では深刻なIT人材不足が進行中です。経済産業省の調査によると、2019年時点で約17万人のIT人材が不足しており、2030年にはその数が最大約79万人にまで増加すると予測されています。このことからも、プログラミングやITの知識を持つ人材がどれほど価値があるか理解できるでしょう。ITスキルを持つ人は今後さらに需要が高まり、注目される存在となるはずです。プログラミングやITの知識は、急速に変化する社会で生き抜くための強力なスキルとなるでしょう。
◆まとめ
今回は、高校で必修化された「情報Ⅰ」についてお話しました。これからITの進化が加速する中で、社会が求めるスキルはますます多様化していくでしょう。また、IT人材の不足も相まって、プログラミングやITの知識は、まるでパソコンがそうであったように、ビジネスの現場で必須のスキルとなる時代が近づいています。この機会に、ぜひ皆さんも積極的にITスキルを身につけ、未来の変化にしっかりと対応できるよう準備を進めていきましょう。