業務の流れやワークフローを説明するのに便利なフローチャート。プログラマーにとってもプログラムの設計に必要不可欠な存在です。ですが、一見簡単そうに見えるフローチャートもわかりやすく効果的な図を作ろうとすると意外と難しいものです。
そこで、デザインに着目したフローチャートの作成方法や、フローチャートを作る際のポイントについて解説していきたいと思います。
もくじ
◆フローチャートとは
フローチャートとは、新人教育や業務プロセス、ワークフローの流れや判断などを示す際に使われる業務全体を見渡せる図のことです。ボックスの中に各ステップの内容を書き込み矢印でそれぞれを接続し、操作方法を表す事でプロセスの手順を示します。「流れ図」「フロー図」「フローシート」と呼ばれることもあります。
フローチャートを作成することで業務プロセスなどの可視化が行えます。業務プロセスなどの改善にも役立つので、出来上がったフローチャートを見ながら効率よく進められる箇所がないか確認することも重要になってきます。
また、フローチャートを用いることでメンバー間でワークフローや業務プロセスを簡単にわかりやすく共有することもできます。
◆基本のフローチャート作成方法
フローチャートに使用する図形や線には、いくつか基本となるものが存在します。
- 開始・終了(端子)
角丸の四角形や楕円の図形。一連のフローの開始地点と終了地点を表す。 - プロセス(処理)
四角形の図形。分岐せずに通過するフローの中の作業を示す。 - 条件分岐(判断)
ひし形の図形。YES/NOやある/ないなどフローの途中で分岐が発生する場合に用いる。 - 線・矢印
プロセス(処理)や条件分岐(判断)をつなぐ記号。
これらを組み合わせることで作業やプロセスを可視化させることができます。
基本は上記の4つで成立させることができますが、「結合」や「ループ」などを組み合わせることで複雑な業務も図式化することができます。より専門的なフローチャート記号を使用したい方は、日本工業規格(JIS)やBPMN形式などにより規格や形式が定められているものを参考にするとよいでしょう。
図形のルールが理解できるようになったら、次に基本の作り方についてです。
ポイントは以下の通りです。
- 作業フローは途中で切り上げず開始から終了まで書く
開始と終了を示す端子(楕円の図形)を使って作業の開始から終了までを記載するのがフローチャートの基本です。開始と終了を曖昧にせず、一連の流れとして表記しているかどうか注意しましょう。 - 上から下へ、左から右へ向かって流れを記入する
フローチャートは直感で理解できるかどうかが重要となっています。人間の目線は基本的に左上から右下に向かって動くとされており、それにならって作成することでスムーズに伝えたいことを伝えることができます。 - 線は交差させない
線を交差させてしまうと工程の先がぱっと見で理解できなかったり、図全体が複雑になって見づらくなってしまう場合があります。できる限りシンプルにまとめることが見やすいフローチャート作りでは重要になってきます。
これらを意識するだけでも見やすく分かりやすいフローチャートを作ることができます。
◆デザインを工夫してより効果的に
デザインにひと工夫加えることでさらにフローチャートの質を向上させることができます。ポイントは以下の通りです。
- 使う色は2、3種類でまとめる
デザインを工夫しようとして図形や矢印をカラフルにしてしまうと、全体が複雑になってかえって理解しづらくなってしまいます。色を使うのはとてもいいことですが、大事なのはそれぞれに意味を持たせているかどうかです。使う色は2、3種類に抑えてつつ、それぞれ必要な色分けかどうか見直してみましょう。 - 短く端的な言葉を使う
ボックス内の文章などはなるべく簡潔にまとめましょう。短くまとめることで端的に伝わるだけでなく全体を見た時スッキリと見やすくなります。
文章量を多くしてしまうと、ボックスの大きさを工程ごとに変更せざるをえなくなってしまったり、行間や字間を無理やり詰めて読みづらくなってしまうこともあるので注意が必要です。 - 細かく工程を分けすぎない
各項目を細かく分けると複雑化してしまうだけでなく、フローチャート自体が長くなりかえって理解しづらくなってしまう可能性があります。
粒度を揃えて細かすぎず長すぎないフローチャートを意識しましょう。
◆まとめ
フローチャートは仕事の流れや処理を可視化することができるため、メンバー間の認識のずれを減らしたり効率を上げることができます。また、作成したフローチャートから不要なプロセスを見出すこともできるため、業務改善にも繋がります。
見やすく分かりやすいデザインを意識して、効果的にフローチャートを活用していきましょう。