2016年4月1日より電力自由化がスタートし、消費者は自身に合った電気を選べるようになりました。
電力自由化により一般消費者はどのようなメリットを得られるのでしょうか。
今回は、そんな電力自由化のメリットとIoTによる電力の見える化について紹介します。もくじ
◆電力自由化とIoTの関係
以前は、家庭や商店向けの電気は各地域の電力会社だけが販売しており、どの会社から電気を買うかを消費者は選ぶことができませんでした。
しかし、電力の小売全面自由化により、消費者は小売電気事業者や料金メニューを選択することができるようになりました。
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組みのことですが、具体的なものとして、最も身近で普段から使われている「電気メーター」は、ネットワークやインターネットにつながりはじめています。
ご自宅や周りのお宅に設置されている電気メーターに注目してみてください。
これまで見慣れていたアナログのメーター(メーターの中で円盤が回っているもの)から、デジタル表示の電気メーターへ交換がされていると思います。
この新しいタイプの電気メーターを、「スマートメーター」と呼びます。
◆スマートメーターとは
スマートメーターは、これまでの「使用した電力の量を測定して表示する」だけではなく、通信機能を持っています。
電力会社はその機能を利用して、月々の電気代の計算に必要な使用電気量を遠隔地から取得できるようになったため、検針員の方が月に一回家庭に訪問してメーターを確認する必要がなくなりました。
国としても2024年度末を目標にすべての電気メーターをスマートメーターに交換するための普及を現在進めています。(東京電力管内では2020年度末を目標)
2016年の電力小売自由化以降、電力会社を切り替える場合には、必ずスマートメーターが設置されることから設置数が増えていっています。
◆スマートメーターによるメリット
電力会社にしかメリットが無いようにも感じられるスマートメーターですが、消費者にも設置するメリットがあります。
例えば、スマートメーターを設置することで、「HEMS」を簡単に利用できるようになります。
HEMSとは、Home Energy Management Systemの略で、家庭のエネルギーを管理するためのシステムになります。
具体的には、「家電の遠隔操作」や「リアルタイムでの電気使用量の確認」などを実現することができるといったメリットを持つ機器になります。
これまでは、HEMSを利用するためには高額な費用がかかるものでしたが、スマートメーターが設置されている場合、比較的安価に利用できるようになってきています。
機器によっては、5000円前後のものまで発売されています。
HEMSはスマートメーターから電力データを取得することが可能なだけでなく、様々な家電のコントロールができるといった機能も持っています。
インターネットにつながった様々な家電をコントロールし、エネルギーのみならず、家全体のコントローラーとしての役割も果たすことができます。
◆まとめ
電力自由化とIoTとの関係をご紹介してきました。
現在のHEMSは、自身の電力データを確認するといった使用が主流ですが、今後は特定の地域や全国の電気データを集め、電気の利用状況に合わせた発電を行うといったエネルギーの効率的な利用や、電気データを使用したサービスが続々と出てくることでしょう。
電力会社の切り替えを通じて、今後注目のIoT利用を身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。