カード並みの小さなサイズで、高い性能を持ち合わせたコンピューター「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」。
プログラミングを行い、電子部品と小さなコンピューター本体とを繋ぐことによってさまざまな機能を実装できるラズベリーパイは、IoT開発を手軽に着手できるハードウェアとして注目されています。
今回はラズベリーパイの特徴、ラズベリーパイでできるIoTについてご紹介します。もくじ
◆Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とは
Raspberry Piとは、内蔵ハードディスクなどを搭載しない代わりに、電源やマイクロSDカード、マイクロUSBケーブルなどを装着することで使用できる、「ワンボードマイコン」と呼ばれるハードウェアになります。
Raspberry Piの歴史は、2012年2月にラズベリーパイ財団より、1枚の回路基板上にコンピューターとしての機能を持たせた「シングルボードコンピューター」で主に教育用として開発されました。
多くのエンジニアの間では、「ラズパイ」というニックネームで親しまれています。
◆Raspberry Piの5つの特徴
Raspberry Piは、性能においては高機能なコンピューターに劣るものの、組み込みのみならず、いろいろなものを作れることから、様々な用途で使われています。
Raspberry Piの持つ、大きな特徴を5つ紹介します。
・小型でローコスト
大きさは名刺サイズ程度の小さなものになります。
価格は、日本円にして(約2,100~3,600円)ほどで、小型で低コストなことから、手にしやすくとても人気があります。
・GPU搭載
Raspberry Piは、モバイル向けのVideoCore IVというGPUが搭載されています。
VideoCore IV、GPU搭載により、グラフィックの分析や処理などを行うことができます。
・HDMI出力、USBポート、LANポートを持つ
HDMI出力、USBポート、LANポートを持つことから、機器本体(ディスプレイやキーボードなど)と繋ぐことが可能なことから、IoTとの関係がとてもスムーズに行えます。
家の電子機器と繋ぐことで電子機器の動きを情報としてリアルタイムで知ることができます。
・OSが使用可能
Raspberry Pi自体にOSは搭載されていませんが、micro-SDを通じてインストールし、使用できます。
OSのライブラリを使用可能なことがメリットとされています。
・組み込みよりサーバー向け
組み込み系での使用も可能ですが、インターネットに接続出来ることから、サーバー向けの開発に向いています。
組み込み向けの開発としては機械の電子回路やモーター制御などに向いていると言えます。
2016年2月発売のRaspberry Pi 3 Model BではWi-FiやBluetoothといったニーズの高い機能が搭載され、モバイルや音声にも手が加えられ高性能なものへと進化を続けています。
◆Raspberry Piを使用して出来る事とIoTとの関係
モノのインターネット、IoTが普及し一段と注目されているRaspberry Piですが、主にどんなことに使用されているのでしょうか。
Raspberry Piを使用して出来る3つのことについて紹介します。
・機器本体の組み込み
組み込みとして、一番多く使用されています。
Linux OS(無料で改変可能なプログラム、、オープンソース)を乗せられることから、組み込みLinuxとして使用されています。
組み込みLinuxを使用する場合はマイコンボードが必要となりますがRaspberry Piは小型でなおかつ安価なため多く使用されます。
電子機器・ロボット・医療機器・デジタルカメラなどが多くの使用例に挙げられます。
・機器本体とインターネットと繋げるIoT
HDMI出力、USBポート、LANポートを持つことから、機器本体に接続し、ネットワーク環境の構築・仮想サーバーでの数値集計やコントロールができます。
温度センサーで冷蔵庫や電子レンジ、エアコンなどの温度を集計・感知したり、加速度センサーで車や機械などの振動や衝撃などを集計しコントロールを行ったり、感知センサーで監視カメラやインターフォンなどのカメラと連携し、異常を察知するなど、モノに連携することで、IoTとの関係性を深めています。
・アプリケーション構築
Raspberry Piをウェブアプリケーションサーバとして組織作ることができます。
HDMI出力、USBポート、LANポートを持つことと、コストダウンが見込めることが大きな魅力言えます。
従来のサーバーに比べ、Raspberry Piの使用でかなりの消費電力を抑えることができます。
◆まとめ
ラズベリーパイへのニーズの期待は、最近では個人の利用域を超えて、企業が業務効率化に活用する動きとしても広がりを見せています。
LEDやセンサーなどの電子部品への接続、インターネット上に公開されているソースコードを利用して機能を実装することができるラズベリーパイは、IoTとの連携においても最適なコンピューターと言えます。