Web制作においてよく聞く職種といえば、大体の方は「Webデザイナー」や「Webディレクター」「HTMLコーダー」などを思い浮かべると思います。これまでは、サイト作成の過程でデザインからHTMLやJavaScriptなどを組む工程は、Webデザイナーがすべて行うことが多かったのですが、質の高いサイトの需要が高まっていることもあり、Web制作の工程ごとに専任の担当者を配置する場合もあります。
「フロントエンジニア」(フロントエンドエンジニア)はWeb制作内における、より専門的な職種となります。もくじ
◆フロントエンジニアの主な仕事内容
フロントエンジニアはWebコーダーと混同されがちですが、ここで具体的な仕事内容をご紹介していきます。
まず、「フロントエンド」とはWebサイトやアプリケーションなどの「画面越しにユーザーがみて、触れる部分」を意味します。フロントエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションの作成の過程において、デザインデータを元にHTMLやJavaScriptなどを組む工程を専門的に行います。
フロントエンジニアやマークアップエンジニアは、どちらもHTMLコーダーの発展形のような存在です。ただし、マークアップエンジニアは主にHTMLの作成と実装を担当し、HTMLの仕様の深い知識が必要であることに対し、フロントエンジニアはHTMLだけでなくCSS、JavaScript(jQuery)、PHPの設計や実装の知識とスキルが必要となります。
企業により作業工程が細分化されますが、小規模の企業はではサイト制作全般の業務に携わることが多くなります。デザインは直接関わらなくても、ある程度の知識や関心は持っておきましょう。
◆フロントエンジニアに求められるスキル
フロントエンジニアになるにはHTML、CSS、JavaScript、CMS(Contents Management System – コンテンツマネジメントシステム)に関するスキルと知識が必要となります。
また、UI(ユーザーインターフェース)設計や実装に関わるフロントエンジニアは、スマートフォンユーザの増加によりデバイスに合わせたユーザ−の利用しやすいインターフェースが必要とされます。
これら以外にも、画像処理やプログラムなどのWebコンテンツ制作に関わる全般の知識があると有利です。
フロントエンジニアを目指す場合は、HTMLだけでは実現できない表現を加えられるJavaScriptを学び、デザイナーの表現の幅を広げてあげることも必要です。どのようなWebサイトの実現が可能か制作スケジュールを考慮してWebディレクターやWebデザイナーとコミュニケーションと相談する業務もあるため、コミュニケーションスキルも軽視できません。
◆フロントエンジニアのキャリアアップ
まずはHTMLコーダーもしくはWebデザイナーとして就職し、現場で仕事を覚えながら専門的なスキルを身につけ、次第に正式なフロントエンジニアに昇格するという形式が多く見られます。これまで培ってきたコーディングの技術を、コーダー上位職として、全ての作業を実行できるまでレベルアップさせる必要があります。
フロントエンジニアに必要な専門スキル以外でも、スマホ・タブレットサイト作成、新規事業の立ち上げやフルリニューアルまで様々な企画力、提案力を磨けば実力次第でかなりの報酬を保証してくれる企業も増えています。
幅広い知識と企画力も必要とされるため「Webディレクター」「Webプロデューサー」などにキャリアアップする可能性も大いにあります。
◆まとめ
フロントエンジニアは、HTMLコーダーよりWeb系スキルについて深い知識が必要とされ、Webデザイナーやディレクターと相談しつつデザインの向上やサイトの仕様決定に貢献します。WebサイトやWebアプリケーションのクオリティはフロントエンジニアによって大きく左右されるといっても過言ではありません。
Webコンテンツ制作における重要なポジションであり、その分やりがいも大きい仕事です。