ビットコインバブル?初心者のためのビットコインの仕組みとリスク

ビジネス関連
shutterstock_687539602_0000

今世間を賑わしているビットコイン。2017年1月にはユーザー数が1000万人を超え、今もなお増加し続けています。
しかしまだ多くの方が「ビットコインとは何?」という疑問を持っていることと思います。

今回は、そんなビットコインの仕組みとそのリスクについて紹介します。もくじ

  1. ビットコインの仕組み
  2. ビットコインの持つ5種類の通貨機能
  3. ビットコインを利用するメリット・デメリット
  4. まとめ

◆ビットコインの仕組み

ビットコインとはインターネット上でやり取りされる仮想通貨の1つになります。
例えば日本通貨なら日本銀行が発行および供給量を管理していますが、ビットコインに管理者はおらず、ビットコイン採掘ソフト(ビットコインクライアント)によって発行され、供給量が調整されます。
そしてその価値は需要と供給の関係により決まります。
また、その供給量には上限があります。

ユーザーはこの採掘ソフトをインストールすることで取引の行われているビットコインネットワークに参加することができます。
このようにビットコインには管理者がおらず、また採掘ソフトをインストールすることで参加できるため、ビットコインのデータは世界中に分散していることになります。
そのため、データの改ざんや破壊が難しく、安全性が高いとも言われています。

わかりにくい場合は金(きん)の採掘をイメージしてみてください。

金の価値は需要と供給の関係によって決まります。
多くの人が「価値がある」と認めるから価値が出ます。
ビットコインも同様で、どれだけの人がその価値を認めるかによって価値が変わります。
そして、埋蔵量に上限があることもビットコインと金が似ている理由になります。

◆ビットコインの持つ5種類の通貨機能

仮想通貨という表現はビットコインが持つ1つの側面を捉えたものにすぎません。
ビットコインの持つ5種類の通貨機能を紹介します。

・仮想通貨としてのビットコイン
ビットコインはインターネット上で管理されるデータになります。
「ウォレット」といわれる専用アプリをスマホやパソコンに入れておくことで、どこでも利用することができます。
実際の通貨データはインターネット上で管理され、アプリのなかで管理しているわけではないため、スマホをなくした場合でも仮想通貨が消えることはありません。

・デジタル通貨としてのビットコイン
ビットコインはお金を電子データとして扱うため持ち運びが簡単だという特徴があります。
似たものに「Suica」「nanaco」などの電子マネーがあります。
どちらもお金を電子データとして扱いますが電子マネーは「特定の企業が管理している」のにたいしてビットコインは「企業や国などの管理者がいない」という違いがあります。

・国際通貨としてのビットコイン
ビットコインは特定の国が発行している通貨ではありません。
世界中どこの国でも同じように利用することができます。
現在使用できる国としてはアメリカ、カナダ、メキシコ、日本などさまざまな国での使用環境が広がっています。

・分散型通貨としてのビットコイン
ビットコインの管理は「ネットワークに参加する人たち」によるものになります。
ビットコインは情報の送り手と受け手が対等な関係で情報を受け渡し合う「P2P(Peer to Peer)」と呼ばれるシステムが採用されており、参加メンバーが相互に承認しあうことで取引の正当性を保証しています。

世界中の参加メンバー全員が過去の取引記録を確認し、不正がないか承認しあうため、管理者がいなくても運営できるのがビットコインです。

このような仕組みを「分散型通貨」と呼びます。

・暗号通貨としてのビットコイン
ビットコインは送金途中でデータを抜き取られることがないように暗号化技術を用いて「公開鍵認証」と「電子署名」を使用しています。
セキュリティ上、仮に途中でデータを見られたとしても送り手と受け手以外は暗号を復元できないようになっているため、普段持ち歩くお金よりも安全といえます。

電子署名という暗号化技術は「誰のものなのか」を記録する機能でもあります。
ビットコインは過去の履歴が記録されているため、不正が起こった場合にもその場合の経路をトレースすることができ不正にも使われにくい通貨になります。

◆ビットコインを利用するメリット・デメリット

ビットコインを利用する具体的なメリット・デメリットをいくつか紹介します。

メリットとして

・投資対象としての魅力
ビットコインは「相対取引」として、「いくらで買いたい」という人と「いくらで売りたい」という人同士が合えば取引が成立するため、ビットコインを購入したい人が増えるとそれに比例するように価格も上昇します。
現在、短期的に見れば価格は上下に変動していますが長期的に見れば上昇し続けています。

「短期的に見た上下幅(=ボラティリティ)の大きさ」と「長期的に見た市場成長率」から、ビットコインは投資対象として魅力的とされています。

・資産の分散候補としての魅力
ビットコインの特徴とされる「特定の国や企業が管理主体ではない」という点は魅力的といえます。
実際、2016年にギリシャで債務不履行が起きた際にはギリシャ国の通貨の価値は下落し、ビットコインに多額の資金が流れてビットコインの価値が上がりました。

・国際送金の手数料が安い
国際送金は自国と相手国の銀行が仲介に入るため手数料が割高になります。
またネットワークの繋がりがない国への送金の場合、複数の国を経由することからさらに割高になります。

銀行を経由する必要がないビットコインを利用することで、国際送金の手数料を1%程度におさえることができます。

デメリットとして

・決済反映時間における問題
インターネット経由であることから即時決済が可能と思われていますが、実際にビットコインを送金すると決済が反映されるまでに10分、時には1時間以上かかる場合があります。
原因としては、ビットコインの特徴である「参加メンバーが相互に承認しあう取引のかたち」が10分ごとにおこなわれていることにあります。

そのため送金処理が承認されるまでに時間がかかり、送金処理はすぐに完了できたとしても決済まで時間がかかってしまいます。

・データ量増加における問題
ビットコインは10分ごとに「過去から現在に至るまでのすべての取引」を承認しあいます。
これまでの取引データに対して、承認されたばかりの最新の10分間の取引は新しい取引データとして結合されます。

10分ごとの取引データの記録が連なっていき(ブロックチェーンと呼ばれます)、その結果データの量増加に繋がります。

◆まとめ

ビットコインは優れたテクノロジーの産物であると同時に、まだまだ多くの不確定さを抱えています。
しかしすでに多くの支持者が集まっているのも事実です。

仮想通貨の利用には、仕組みやセキュリティへの理解が不可欠ですが、まずは少しでもビットコインに興味をもっていただければと思います。