まずサーバー(server)とは、ホームページを表示するために必要となる情報(htmlファイルや画像ファイルなど)を格納しておく場所のことです。サーバーには、メールサーバー・webサーバー・ファイルサーバーなど様々な種類があり、ネットワーク上のサービスをする上で欠かせないものです。
このサーバーを構築、運用する重要なポジションがサーバーエンジニアとなります。もくじ
◆サーバーエンジニアの主な仕事内容
サーバーエンジニアには大きく分けて2つの仕事があります。その2つとは、サーバーの構築業務とサーバーの保守・運用業務となります。
・サーバーの構築業務
- 構築・設計 Webサーバーやメールサーバーなど、どのサーバーを何台使用するのか、スペックや処理能力などを考慮してプログラマーやクライアントと相談しながら構築していきます。 その際、通信速度や電源容量の許容値、コストだけでなく、後々の運用がスムーズに進むかなどあらゆる面を考慮し求められる最適なサーバーを設計・構築しなければなりません。
- ラッキング、配線作業 ラッキングとは、ラックマウントサーバ(ラックマウント型)と呼ばれる棚に備え付けるタイプのサーバコンピュータをサーバラックに挿入して固定する物理作業です。ラッキング後は電源やネットワークケーブルの配線を行います。後の運用を考え、整理しきれいに配置や配線することも重要です。
- OS、アプリケーションの設定作業 サーバーシステムを動かすためのOS(Operating System )や、そのOS上で動作するアプリケーションのインストールおよび設定を行います。 OSはユーザーや目的により種類が分かれており、一般的に利用されているものはWindowsとMac OS Xですが、サーバーとしてはUnix系、スマートフォンではAndroidやiOSなどが有名です。
・サーバーの保守・運用
基本的に稼働中のサーバーやシステムを止めることなく、効率的な運用を続けられるよう状況に応じて変更を加えたり管理する作業です。
- 運用 OSバージョンアップに伴う端末の設定変更など、サーバーやシステムの性能を最適化します。予見できる障害に対しての自動復旧もしくは遠隔復旧できるようなしくみを構築するなど、サーバの継続的な安定稼働のための業務も含まれます。
- 保守 故障対応やセキュリティパッチ、バックアップなどトラブルへの対応や万が一の際の復旧作業が中心です。システムの監視やエラーがあればログ解析などを行い、原因を探りメンテナンスを行います。
◆サーバーエンジニアとネットワークエンジニア
「サーバーエンジニア」と「ネットワークエンジニア」はよく混同されることが良くありますが、今後エンジニアとしてのキャリアを考えている方は、違いをよく把握しておきましょう。
サーバーエンジニアが行うのは「サーバー」の構築・運用・保守、ネットワークエンジニアが行うのは「ネットワーク」の構築・運用・保守となります。
・ネットワークとサーバーの違い
ネットワークは通信そのものです。目的のサーバーへたどり着くまでの通路のようにお考えください。目的地(サーバー)はメールサーバー・webサーバー・ファイルサーバーなど種類が様々です。
「通路」の構築・保守か「目的地」の構築・保守かによって、仕事の内容も大きく変わります。
◆サーバーエンジニアのキャリアアップ
Iサーバーエンジニアの一般的なキャリアパスとしては、まず保守・運用作業で経験を積み、その後構築や設計などに携わるケースがあります。どのサーバーを扱う場合でもOSの知識やネットワークおよびセキュリティの知識は必須となるため、CCNAやCCNPなどの専門の資格取得やスキルを磨く努力を怠らない姿勢が、幅広いキャリアアップへの礎となるでしょう。
さらにキャリアアップするなら、サーバーだけでなく、ネットワークに関する最新の知識や情報に対して積極的に学び、要件定義に参与できるようになればプロジェクトマネージャーといった責任のある仕事に就くという道筋も考えられます。
◆まとめ
インターネットサービスの増加に伴い、サーバーエンジニアの需要は伸びています。業務未経験であっても、自分でサーバー構築経験があるなど知識や意欲の高い方であればサーバーエンジニアとして採用される可能性は十分にあります。アプリケーションなどの最新技術に目が向けられがちですが、どの企業でもサーバーの強化は重要課題であるため、サーバーエンジニアとしての高度な知識や技術は専門職としての高い価値を生み出します。